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豊北地域(滝部エリア)リノベーションまちづくりキックオフミーティングに参加しました

INDEX

  1. はじめに
  2. ガイダンス
  3. 嶋田洋平さん(らいおん建築事務所)
  4. 瀬川康弘さん(PASONA)
  5. まちづくりセミナー「公民連携によるまちづくり」
    1. 事例紹介①:小倉・魚町のリノベーション
    2. リノベーションまちづくり
    3. 事例紹介②:大阪 泉佐野市「つばさ商店街」
    4. 事例紹介③:福島県国見町
    5. 下関市リノベーションまちづくり
  6. わたしのリノベーションまちづくり

なんの変哲もひねりもないタイトルの記事ですが、これが書けることは嬉し〜い‼︎

豊北地域」の「リノベーション」な「まちづくり」が「キックオフ」する「ミーティング」ですから…!大興奮ですよね。

はじめに

北島副市長も来てくださって、下関市への移住希望者は、ここ豊北エリアがいちばん人気だって冒頭のあいさつでもおっしゃってたぐらい、ポテンシャルの高い地域なんです。

しかも今年度から、下関市の「地域活性化起業人」制度を利用して、淡路島でガシガシ新規事業の立ち上げや地域の活性化に取り組んでおられる、PASONA瀬川康弘さん(下関市菊川町出身)が豊北総合支所の地域政策課に配属されており、激アツ、胸アツな展開になっています。

この豊北地域で始まる リノベーションまちづくり は、こんなポテンシャルに溢れた激アツな豊北町の魅力を、まずは町の中心 滝部エリア から引き出す試みを行い、その成功事例をパッケージ化して町内の他のエリアや町外へと展開し、下関、山口県、ひいては全国へと拡大するモデルとなることを目指すものです。

ガイダンス

続いて、豊北総合支所 地域政策課の 岡部さんが豊北町の概要をお話ししてくださいました。
豊北町の人口は絶賛右肩下がり中でして、2005年に下関市と合併した頃に12,000人いた人口は、このままだと2060年には約2,000人になってしまう見込みだそうです。
一方で高齢化率は右肩上がりで、下関市内でもぶっちぎりの約55%。もはや人口の半分以上が高齢者という絶望的な状況です。それなのに出生数は最近の5年ごとの出生数データから単純計算すると年間15人ぐらいしか生まれていないことになり、ますます少子高齢化が進む傾向にあるといえるまちです。

これって将来、日本中のたくさんの地方で起こる現象で、表現の仕方によっては、全国で最先端の社会実験を行うことが可能なまち ってことなんです。

嶋田洋平さん(らいおん建築事務所)

昨年度わたしは、「下関市まちづくり構想検討委員会」をオブザーバとして傍聴させていただいていたのですが(と、言いながら何度か発言する機会もいただいたのですが)、その際の講師を務められた らいおん建築事務所嶋田洋平 さんがとにかく面白くて、様々な体験談や事例の紹介がひとつずつ全てエキサイティングだし、課題解決のアイデアやロジックがブッ飛んでて一瞬マジでひいちゃうんだけど、よくよく説明を聴くと、「なるほど〜!」とオデコを手のひらで叩かずにはいられない(それでもブッ飛んでるんだけど)、クセになる痛快なキャラで、嶋田洋平さんの話が聴けるイベントならぜひ行きたい!と思わせる方なんですね。

今回のこのイベントの「ほしい暮らしは自分でつくる」は、嶋田さんの「リノベーションまちづくり」のキーワードです。
嶋田さんの著書のタイトルでもあります。

瀬川康弘さん(PASONA)

このイベントのちょっと前に、豊北総合支所 地域政策課長の熊井一雄さんに、「会わせたい人がおるけぇ」ってことでご紹介いただいたのが PASONA の 瀬川康弘さん でした。

PASONAがゴソッと拠点を淡路島に移し、瀬川さん自身も淡路島で、廃校や空き家利用したにぎわい創出事業をいくつも立ち上げ、地域活性化のまさに第一人者というスケールのデカさに加えて、物理的なスケールもデカい… つまり、見上げるぐらい背が高い人です。今でも身長が伸びているということで、「身長は 193〜194cm です…」と、もはやゴニョゴニョっとあいまいにしてしまう扱い。

人が集まるところに夢が集まる 夢は人に帰属する」をキーワードに、精力的に身体もアタマも動かしておられる、熱を感じるスマートな方という印象です。

まちづくりセミナー「公民連携によるまちづくり」

さぁ、らいおん建築事務所 嶋田さん によるセミナーが始まりました。

事例紹介①:小倉・魚町のリノベーション

小倉の魚町といえば、わたしたち世代は中学生の頃、”死にたいぐらいに憧れた花の都”でした。
ところがある時期には地価が大幅に下落し、1/9程度にまで暴落したエリアもあったそうです。

空き家や空き物件が溢れてしまったエリアで、嶋田さんは13年間放置された物件を、10店舗が入るインキュベーション施設にリノベーションしたり、空きオフィスをコワーキングスペースとして活用したりして、スタートアップにチャレンジする若者が参入しやすい環境を整えました。

他にも、建物が焼失した空き地にコンテナを活用して作ったキッチンを据えてイタリアンバルにしたり、古書店を立ち飲みバルに改装したり、半分空き家のアパートをシェアハウスにしたり…

北九州家守社

これらのリノベーションに深く関わったのが、北九州家守社 です。

家守」というのは、江戸時代に、地主や家主に代わって家や土地を管理し、地代や家賃を取り立てを行ったりしていた、「民間の役人」のような役割の人だったそうです。

この、江戸のまちの「家守」の職能を現代に活かし、まちの差配人として、地主・家主たる不動産オーナーと魚町エリアの新たな産業を担うビジネスオーナーをつなぐ役割を果たすことを目的に設立されたのが 北九州家守社ということですね。

リノベーションまちづくりの好循環

嶋田さんがひとつひとつの取り組みを次々と写真スライドで紹介しながら説明していくのですが、まぁそれは気持ちのいいテンポで、素晴らしい店舗などがポンポンポンと映し出されるわけですよ。

しかもこれらの取り組みって、魚町の中心で、家賃相場が 8,000円/坪 のところを 4,500円/坪 くらいの安さで貸すんですよ。こんなにオシャレでいい感じ、しかも小倉駅からも近い魚町のいい場所です。

すると若者が次々入ります。そしてそれを知ったお客さんらから「このまちで面白いことやってる!」と情報が発信され、バズります。すると次第に家賃が上がっても出店したい人、進出したい企業が増え、条件によっては最高 25,000円/坪 という、元々の家賃相場よりも高い家賃でも契約が成立するようになったそうです。

最初に家賃を下げると、地元の住民からは「まちの価値下げてんじゃねぇ!」と叩かれることが多いそうですが、実際に人が集まり始めて、コミュニティができて…と好循環が発生すると、今まで休止していた祭りが復活したりして、結果、地元の住民から喜ばれる、という気持ちのいい逆転劇も起こっているのが素敵です。

こういう昔ながらの繁華街のリノベーションに乗り出すと、だいたい昔ながらのスタイルを大切にしている大先輩がいて、嫌な顔をされたりするわけです。例えば商店街のシンボル的な存在だったアーケードを撤去しようとすると

「これがなくなると商店街であることを放棄するようなものだ!」

と猛反発されたり。でもいざ撤去してみると

「アレ…?思ったより通りが明るくなって…エ? 結構いい感じ…⁇

みたいなリアクションがあったりなんかして、明るくなった通りに 道の公園 のようなスペースを作ると憩いの場所ができて喜ばれたりするから面白いんだそうです。

リノベーションまちづくり

リノベーションまちづくりには、いくつか基本的な考え方があります。

  • 今あるものを活かし、新しい使い方をしてまちを変える
  • まちのコンテンツを変える暮らし方のイノベーション
  • 住むこと・働くこと・遊ぶことが一体となったまちづくり

…などなど。

新しい居住スタイルづくりには、新しい働きかたの創造が重要になってきます。これは、それぞれのまちの魅力的なコンテンツづくりにもつながる大切な作業です。

ひとつ、眼からウロコな考え方があります。それは

人口が減ることは、必ずしも悪いことではない

ということ。
例えばコンパクトシティを追求して、少ない住民が効率的で便利な毎日を過ごせるというのもひとつの成功例になりえます。

補助金にできるだけ頼らない

リノベーションまちづくりでは、政府や公共団体の補助金に頼らず、住民たちで自走できるやり方を考えます。

その理由としてはまず ①めんどくさい。そして ②時間がかかる
書類を整えたり、そのために体制を整えたり細かい計画を立てたり…。本来やりたいことの本質から外れた部分に時間もアタマも取られてしまうし、後々になって補助金のルールに縛られたり、意外と割に合わない…!ってのもあるあるです。

それよりも、地方の田舎で 潜在する豊富な地域資源 × あり余る公共と民間の空間資源 を活用して、できるだけ経費を抑えつつ、素材の良さを活かしたまちづくりを目指した方が健康的で魅力的じゃないですか?

ただし、公と民が両輪で進める リノベーションまちづくり も存在しています。例えば先述の 小倉のアーケード撤去。これって、道路の管理も絡んでくることから、民間だけで進めることはできないし、行政だけに任せていてもなかなか進まなかったりすることもあります。

こういう時には、民間のスピードと、行政の確実な手続きの両方が重要になってくるわけです。

情報を生産し発信する

嶋田さんによると、情報発信量と来客数は正比例する のだそうです。そりゃ、今のこのSNSの時代に当たり前っちゃー当たり前。「情報が出ないところに人は来ない」ってことですね。

事例紹介②:大阪 泉佐野市「つばさ商店街」

ここは嶋田さん曰く、「芸術的なシャッター商店街」だったそうです。
これは商店街から手を付けてもどうにもならない、と判断した嶋田さんは、つばさ商店街の付近にある空き家エリアの開発から手掛けることにしたそうです。

ちなみに嶋田さんが泉佐野市で今回の豊北町と同じように講演会をすると、その翌日、講演会に参加していた40代の男性がいきなり連絡してきて、

「古民家を利用してなにかやります!」

と…。そうして、「さの町場家守舎 まちばの芽」という団体が、築200年の古民家を利用し、「くらふとや」という月1回のマーケットを開催できる場所をつくり、「まちば日和」というイベントが開催されるようになったそうです。

さらに 厨-Kuriya- というシェアキッチンができたり、ゲストハウスができたりと、空き家エリアが充実してきました。

ほかにも、廃墟のような店舗をリノベーションして ふくろYa! Base という、「『衣食住+芸術』が健康で持続可能性のあるオーガニックで楽しい場をつくる」というコンセプトの 複合文化施設村 をつくったり、洋菓子屋の空き店舗を駄菓子屋にリノベーションしたり…次から次へと連鎖的に様々なアイデアがかたちになっていきます。

事例紹介③:福島県国見町

人口8,000人のまちでのリノベーションまちづくり事例です。
空き家・空き店舗は多いけど、ほとんど貸してもらえない、という状況からのスタートでした。
例えば、藤田駅付近に町が所有する公有不動産を発見したので問い合わせてみると…

「倉庫に使ってますから」

と。嶋田さんに言わせると「倉庫に使っている」は「使っていない」と同じです。

これはこのまちに限らず本当によくある例で、役所のいろんな課が「倉庫に使っている」状態。
放っておいても何にも状況は変わらないし、建物も保管してあるものも静かに死んでいくだけです。

そんな中、まち歩き中に出会った若者たちが、シチリア島で料理修行していたということで、元々縫製工場だった建物をリノベーションしてつくった コワーキング&コラーニング スペースの「アカリ」にイタリアンレストラン「Trattoria da Martino(トラットリア ダ マルティーノ)」をオープンすると、それまで味噌ラーメン屋が1件・食堂が1件しかなかった国見町に突然カジュアルなイタリアンレストランができたもんだから爆発的人気になったそうです。

この「アカリ」は、1階にイタリアン レストラン、キッズライブラリー、ラウンジが入り、2階にはコワーキング・コラーニングスペースとスタジオがあるそうで、コラーニングスペースでは市が塾講師を招いて塾を開講しています。

これは、行政の所有する施設を、行政がお金を払って民間に管理させるという「指定管理」と異なり、民間が管理している施設を、行政がお金を払って使用している、という、お金の流れが逆になっている点がポイントです。

これにより、当初は45万円の赤字からスタートしたアカリの経営は現在では黒字に転じ、順調に収益化されているということです。
このような、施設を自由に活用できることを大前提とした取り組みは、指定管理と比較しても、次の動きにつながる発展性があるのがメリットですね。

他にも、メゾネットタイプの住宅が4件×5棟で構成された町営住宅「大坂団地」では、5棟に1件ずつ入居者がいるという、偶然にしてもなんとも効率の悪い状況だったところ、たまたまその中の1件が退去したことで、完全に空き家となった棟がひとつできたということで、その棟を「おおさかのおか」という賃貸オフィスにリノベーションし、事業を起こした人のネクストステップとして、大坂団地に住みつつ事業ができる、というストーリーを描いているのだそうです。

とりあえず空いてるから、とりあえずシェアオフィスとか流行ってるから、という思いつきではなく、そこまでの流れや今後のストーリーを描いて、まち全体として発展していく方向に活用していくことがリノベーションまちづくりの極意なんですね。

下関市リノベーションまちづくり

この リノベーションまちづくり は今に始まったプロジェクトではなく、下関市ても下関駅や唐戸の周辺などのいくつかのエリアで進んでいて、最近では茶山通りに「あいまいな境界」というカフェがオープンしたことがローカルニュースにも取り上げられ、話題となっています。

子育て世代、障害者、高齢者、それ以外の人がひとつの場所で支えあいながら生きていくことで、すべての人を境目なく包み込むインクルーシブな街の拠点を「あいまいな境界」という言葉で表現しています。
「あいまい」というのはあまり良い意味で捉えられることがない言葉ですが、私たちの間に横たわる境界は見えにくく曖昧である方が生きやすい。そんな願いを込めてこの言葉を選びました。

この「あいまいな境界」は

茶山に住む人が望む「食堂」であり
私たち障害者が望む「集いの場」であり
こころの支援をして欲しい人が望む「カウンセリングルーム」であり
自身のキャリア形成に悩む人が望む「キャリア支援カフェ」であり
手づくりを始めてみたい人の望む「ワークショップカフェ」であったり

多様性を持った場所になっていきます。

「あいまいな境界」公式Webサイトより

下関ではこのほかにも、大丸旅館 という廃業した古い旅館の建物をリノベーションし、BRIDGE というゲストハウスがつくられたり、上記 あいまいな境界 の入る ARCH茶山 がレンタルスペースとしてスタートしていたり、唐戸市場の鮮魚店 うお華 が唐戸で ウオハナキッチン という朝食・昼食の楽しめる飲食店を直営していたり、ユニークな移動式の テラスセキ は、街の中に突如現れる、パレットなどを活用したベンチ席で、イベント等で自由に活用されるコンセプトの取り組みがなされたりと、同時多発的に次々とワクワクするリノベーションまちづくりが進行中です!

わたしのリノベーションまちづくり

この日、ガイダンスに続いて実際に豊北町 滝部のまちを歩いて、空き家や空き店舗の利活用と、そこから滝部のまちが盛り上がるアイデアを話し合って発表するワークショップがあり、様々な意見が出されました。

今日の事例紹介で見たまちでは、どんな熱量やどんなスピード感でプロジェクトが進んでいったんだろう、どのくらいの人が熱心に関わって、どのくらいの人が興味を持って、どのくらいの人が無関心だったんだろう…

ワークショップで出されたアイデアには、ハッとするような、いいとこ突いてんね〜!みたいなものもあったけど、誰がそれを実現するんだろう…

このテのイベントに参加すると、ものすごくワクワクすると同時に、なんとも言えない虚しさや無力感に襲われることがあります。

ガンガン行動して、どんどんアイデアを実現していきたいのに、日々の自分の周りのことにいっぱいいっぱいで、ずーっと後回しにしている気がして、気持ちばっかり焦ります。

モタモタしていると、本当に手遅れになってしまう。

とにかく諦めないこと。今は焦ったり考えたりすることしかできませんが、いつか必ず、手遅れになる前にわたしは動くんだ、立ち上がるんだ、と常に自身にプレッシャーをかけ続けます。