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やまぐち若者 MY PROJECT の「探求サミット」潜入! 山口県の高校生はすごいぜ…!

INDEX

  1. 下関北高校の発表
    1. 短期プロジェクト:スタンプラリー
    2. 中期プロジェクト:廃校舎を利用した婚活
    3. 長期プロジェクト:サードプレイス
  2. その他の高校の発表
    1. 中村女子高校・山口中央高校・西京高校
    2. 大津緑洋高校
    3. 西京高校

やまぐち若者MY PROJECT主催の「探求サミット」にちょっと顔を出してきました。

下関市立大学の学生もメンターとして関わっている 下関北高校 の「地域探求学習」のメンバーも発表することになっていて、地域連携を担当する事務職員としても、まちづくりの研究者としても、山口県で子育てしている親としても、豊北町の1人のオィサンとしても、あらゆる視点で非常に興味深いプロジェクトだからです。

会場は山口市の山口県セミナーパークで、午前中に4つの研修室に分かれて5回転、20組の県内の高校生たちが、この1年間取り組んできた地域探求の成果を発表します。

わたしは別の用事を済ませてからの参加となったので、2つ目の発表から4つの高校の発表を拝見させていただきました。

その1つ目が 下関北高校 の発表で、なんとか間に合うことができた、ってところでした。
会場に着くと、ちょうど下関北高校のメンターでもあり、やまぐち若者MY PROJECT のスタッフでもある 菅新汰 さんにバッタリ出会い、「次の発表がシモキタですよ!」って、下関北高校が発表する研修室までスーッと連れてってくれました。

下関北高校の発表

下関北高校では、今年度の「地域探求」の授業では5つのグループに分かれてプロジェクトが進められており、そのうちのひとつ「ハブ・アンド・リンク」のチームが発表をすることになっていました。

メンバーには、わたしの家の近所に住んでいる幼馴染のお嬢さんもいて、堂々とした発表っぷりに「あの小さかった〇〇ちゃんが…」と、親でもないのに目頭が熱くなるという田舎アラフィフオィサンのあるあるを体験しつつ、ただ、そういう「ひいき目」的なものをさっ引いても素晴らしい発表でした。

発表の概要としては、下関北高校が地域の「ハブ」的な役割を果たして、さまざまな団体や素材を「リンク」させる、というものです。

背景として、豊北町は人口減少、少子高齢化が激しく進行していて、なんとか人がとどまる仕組みを作っていかなければならない、という点が上がり、奇しくもこれはわたしの修士論文のテーマと一致します。

具体的な取り組みとして、シモキタ高生たちは、短期・中期・長期に分けたプロジェクトを考案しており、すでに実行しているものもあります。

短期プロジェクト:スタンプラリー

まず短期プロジェクトとしては、観光地を巡る スタンプラリー の開発で、インターネット上のサービスを利用して、指定された観光地に近づくとスマートフォンのアプリにスタンプが貯まるというシステムができています。これをQRコードを印刷したポスターにして、豊北町内の道の駅やお土産屋さんなどに掲示し、すでに約30名の方が参加してくれているのだそうです。

また、豊北町内の観光名所等を紹介するマップを、昨年度から連携いただいている ユーカリヤ社 の Re:Earth というWebGISプラットフォームを活用してWeb上で表現していたり、高校生ならではの発想で豊北町をPRし、関係人口を増やそうという、見事な短期プロジェクトになっています。

中期プロジェクト:廃校舎を利用した婚活

それから、中期的なプロジェクトとしては、町内に7つある廃校舎を活用した「婚活イベント」の企画を考えているそうで、これも非常によく考えてあるな、と思いました。
わたしたちも豊北地区まちづくり協議会で婚活イベントを企画することはよくあり、やはり豊北町をフィールドにするので、漁業体験や農業体験をとおして自然を満喫する内容だったり、マリンスポーツやデイキャンプ体験をテーマにしてみたり、豊北町内のスイーツ巡りをするものだったり…色々と趣向は凝らしています。

ただ、婚活イベントで「非日常」を体験してもらう、という目線はあれど、高校生たちの「廃校舎を利用することで、誰もが経験してきた学生時代を感じる体験をしてもらい、リラックスした気持ちで婚活に臨む」っていう発想はありませんでした。「やられた…!」という感じ。

想定しているプログラムも素敵で、まず午前中は調理室で、豊北町の食材を使って調理実習をしてもらいます。そして午後からは誰もがやったことのあるような種目でミニ運動会をする、というものです。素敵を通り越してもはや尊いじゃないですか!

まず「調理実習」って響きがすでに甘酸っぺー!あれこれ想像して勝手に恋愛スイッチがオンになります。
そして運動会。これは、言うても「婚活」の一環ですから、騎馬戦とかリレーとか、そういうハードな種目ではなく、玉入れとか、借り人競争とか、パンくい…イヤ、粉だらけの飴くい競争でもいいですね、ワイワイと勝ち負け抜きに楽しめる種目であれば、運動が得意でなくても盛り上がれると思うんです。

これはまち協とコラボしてやってみても面白そうだな…とワクワクしました。

長期プロジェクト:サードプレイス

そして長期的なプロジェクトは、下関北高校の周辺にいわゆる「サードプレイス」をつくるというもの。
マックやスタバのような、学校帰りに高校生が立ち寄っておしゃべりしたりちょっと勉強したりする空間って、下関北高校の周辺にはないんです。

最寄りの滝部駅までは1.6km歩かなければならないのですが、その間の大半がシャッター街と化した商店街で、本当に寂しいんです。
通りにも高校生の心にも、球になった枯れ草が、風に吹かれてカサカサカサ〜ッて転がってます。

そこに、下関北高校の生徒だけじゃなくて、中学生や小学生、地域の人まで集まれるような、学校・家に次ぐ「第3の居場所」があることで、学校に通う児童・生徒だけでなく、実は不登校の子どもたちにとっても大切な居場所となり得るんだ、ということなのだそうです。

このことを訴える際に、発表者の生徒さんの1人が感極まって涙を流していました。どれだけ思い入れをもってこのプロジェクトを考えてくれていたのか…!
発表を聴いていた人が皆、心をガツッと鷲掴みにされました。

やろう!このプロジェクト、「いいアイデア」で終わらせずに、必ずやろう‼︎
と誓いました。このプロジェクトは、下関北高校生だけのものではないんです。高校生が、地域を巻き込んで実現させるのが「地域探求」。
コミュニティスクールって、なんだかやっぱりそういう双方向性というか、全方位に向いた学校のあり方なんじゃないかな、と感じました。

わたしの偏見かもしれませんが、多くの人が「地域の人が学校の運営に口を出す」くらいにしか捉えてないんじゃないかしら、と思って…。
それも、「地域の人」っていうのは「学校運営協議会」のメンバーだけを思い浮かべてて、「わたしはメンバーじゃないし」くらいのスタンスなんじゃないかしら、と。

…違うよね、本当はそうではないよね。
わたしが地域のオィサンとして取り組むべきは、まずはもっとみんなが、地域の子どもたちが一生懸命取り組んでいることは、地域の一員として「自分ごと」として捉えられる雰囲気づくりからかもしれません。

その他の高校の発表

下関北高校の発表の後、下関北高の発表の研修室で出会った 山西水産 の 山ちゃん と会場を回って、他の高校の発表も拝見しました。

中村女子高校・山口中央高校・西京高校

まず、中村女子高校、山口中央高校、西京高校の「同中トリオ」の息の合ったプレゼンが楽しかった「留学生と山口料理を作ろう!」
これは、山口県の食材を使った料理を外国人留学生に紹介するというプロジェクトで、山口県といえば「ふぐ」、そして「はなっこりー」ということで、「ふぐ鍋」と「はなっこりーの炒め物」を留学生と一緒に作り、レシピも配布して、食で山口県を知ってもらおう、というものでした。

大津緑洋高校

続いて、大津緑洋高校 の「森結びプロジェクト」。日本の木材を普及させたい、林業をもっと盛り上げたいという意志を、なんと中学生の頃から持ち続けているという女子高生の、熱気あふれるプレゼン。しかもすでにプロジェクトはかなり進んでいて、輸入木材にシェアを持っていかれている「楽器製作」の分野で、日本の木材が使用できるということを、楽器の材料としては重要な材料の硬さや音の伝播する速度などを、木材の「ヤング率」を測定することで算出し、日本の木材でも、外国産のメイプルなど、楽器の材質でよく耳にする木材に引けをとらないことを実験で実証しています。
しかも、わたしを含め多くの人が想像している「日本産の木材は外国産の木材より値段が高い」というのが実は誤解で、国産木材の方が安いんだから、使わない手はないという衝撃のプレゼンでした。

西京高校

最後に、西京高校の「カニカマを世界へ」。すごく場慣れした男子生徒が、軽快にプレゼンを進めます。宇部市にある 株式会社ヤナギヤ さんが、世界一のカニカマ製造装置メーカーだそうで、世界の7割のカニカマは、ヤナギヤさんの機械で作られているそうです。
「世界の7割ったって、カニカマでしょ?日本くらいでしか食べられてないんでしょ…??」って思ってしまった皆さん(わたしも含め)、実は、日本はカニカマの消費量、世界第3位です。カニカマは「SURIMI」という呼び名で世界中で親しまれており、フランスでは全生産量の1割が消費され、次いでスペイン、それから日本、アメリカなどでも人気なのだとか。そもそも世界一のカニカマ生産国は、北ヨーロッパでバルト海に面するリトアニアで、年間80,000トンも生産されています。もちろんそこでも宇部市のヤナギヤさんのカニカママシーンがフル稼働しているという…。
こういう驚きいっぱいのプレゼンは聴くだけでも楽しいですね。
ちなみに彼は、カニカマを更にもっと世界に広めるために、アジア圏の留学生に「カニカマチャーハン」と「カニカマチヂミ」を作って食べてもらったそうです。カニカマチヂミの方が、カニカマの素材の良さが生きてて好評だったそうですよ。

高校生が質疑応答の中で、「もっと地域との交流をしたいし地域のことを知りたいのに、自分の高校ではそういうカリキュラムがないんだ」とちょっとクレームを入れる場面もありました。
会場ではちょっとワッていう笑いが起きてましたが、わたしは、それは高校のカリキュラムは高校ごとに考えや方針があって決めるでしょうから、今日の明日で「地域に力入れることにします!」とはならないだろう、と思います。

でも例え高校の正規のカリキュラムの中に地域と連携したものがなくっても、山口県内の公立学校はすべてコミュニティスクールで、学校運営協議会があるんですから、こういう生徒さん(学校運営協議会からしたら「待ってました!」って人材だと思うんだけど…)の意見を汲み取って、地域とつながる場をつくってあげることで、学校と地域との役割分担のできた、理想的なコミュニティスクールになるんじゃないかな…と思いました。

イヤー、半日だけちょっと顔を出しただけでしたけど、山口県の高校生、マジで熱い!
こういう生徒さんたちが入学してきてがっかりされない大学づくりもしていかないと、マジで地方の公立大学がつまんないことやってたら、高校生から見切られちゃうな…と少々焦りも感じました。